脚が動かなければ手で歩け。手が動かなければ指でゆけ。指が動かなければ歯で噛みながら歩け。歯もだめなら目で歩け。目でもだめだったら想え!
By 羽生 丈二(DMJバイブル@神々の山嶺より)
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2回目のTDTを走り終え、もれなく左脚内側広筋の怪我を頂いた。初の100マイルレースを前にしばらく走れない日が何日も続く。何とか2ヶ月前には走れるようになり、トレーニングレベルも徐々に上げ、ピーク時は一日30キロを目標にひたすら頑張る。辛くても自分が毎日頑張れるモチベーションは「自分が1位になるんだ」というとんでもない勘違いが自分を動かしてくれた。誰が出走するかも解らない、1位という数字に全くの根拠も実力もない、だけどその漠然としたイメージが辛い時にいつも救ってくれた。
人生3度目の100マイル。OSJおんたけウルトラ100マイルを走る。当時の記事はこちら。
レース中楽しい場面もたくさんあるんだけど、辛く苦しい場面も多い。100マイルは気持ちの浮き沈みの繰り返しと解っていながらも、気持ちが底を着いた時は本当に辛い。好きで走らせて頂いてるにも関わらず、時には「もう止めてしまいたい」と勝手な事も考えてしまう。100マイルはレース中に必ず気持ちでしか通用しない場面が訪れてくる。その時にやるのか、止めてしまうのか、選択肢は2つしかない。自分はトップ選手に比べたら決して脚は速くない。だからこそ体が限界に達して気力でしか前に進むことが出来なくなった時、そこに始めて自分の勝負する土俵が出来る。自分から意地とか根性とかそうゆうやつを無くしたら正直なにも何も残らないと思う。それは自分でも良く承知している。だから苦しくなる度に「この苦しさを望みに来たのは自分じゃないのか」と何度も自問自答を繰り返す。
初の100マイルレースは総合4位に終わった。タイムは18:49:51。全てを出し尽くし灰になれた。そしてこれを機に100マイルの魅力にどっぷり浸かってしまったような気がする。
苦しさを乗り越えるとそこにはザ・パラダイスが待っている。自分がずっとずっと待ち望んでいた夢のような空間。努力してきて本当に良かったと思える瞬間。ほんとウルトラって想いが通じるスポーツだと思う。
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人間には大きく分けたら3つのことしか起きない。生まれる、生きる、死ぬ。生まれたことは覚えてないし、死ぬことも解らない。やれることが生きることなら毎日を精一杯生きよう!
努力は最高!夢は叶えるもの!
-100 Miler Tomo